真っ赤に熱せられた一本の細い棒状の鉄。上下で回転するロールの間を通過させることで少しずつカタチを整え、製品に仕上げていきます。ここで重要なのは、作業のはじめに行う試験圧延プロセス。この段階でのロール調整が製品精度を左右するため、チーム一丸となって集中します。寸分の狂いもない製品づくりができたとき、鉄のプロフェッショナルとしての大きな喜びを感じることができます。
材料を規定サイズに切断・計量する最初の工程です。お客様の要求する規格(形状・強度)に合った材料の使い分けにノウハウがあります。
1ライン4名程度のスタッフが連携して圧延状態を常にチェック。スタンド内のロールの回転数などを微調整して精度UPを目指します。
高温で圧延した製品は冷却テーブルへ。ゆっくりと均一に冷やしていくことも、歪みのない製品づくりの秘訣の一つです。
決められた寸法に切断した後に、目視でキズ・曲がり・色の違いを瞬時に見極めます。経験値と判断力が問われる工程です。
材料の切断・軽量から加熱炉を経て、圧延、裁断工程までのラインを自動化。より効率的なライン構築で短納期化を図っています。
切断した製品を一定の間隔で抜き取って寸法をチェック。精度検査は品質管理担当の専門スタッフが厳しく実施しています。
日常的な強度検査のほか、問題があれば組織検査などで原因を追求。品質向上に向けて、お客様の声を聞くことも大事にしています。
製品の種類や形状の数だけロールがあり、それ自体が技術とノウハウの塊です。そのためロールの加工・調整はすべて自社で完結。
熱で変化する鉄の性質を利用して、お客さまからお預かりした製品の外形を変えることなく、組織だけを変化させる仕事です。「加熱」と「冷却」で、硬くする、柔らかくする、あるいは耐摩耗性や耐食性を向上させる、といった性質を付加することができるため、自動車部品はじめ、さまざまな鋼製部品に使われています。焼き入れまたは加熱の条件設定、温度や時間管理、並べ方など、あらゆる点にノウハウがあり、鉄の性質への深い理解が求められます。
焼き入れ・焼き戻し | 焼きならし | 焼きなまし・低温焼きなまし |
固溶化・真空固溶化 | アルミT6処理 | ガス窒化・ガス軟窒化 |
浸炭・浸炭窒化 | ショットブラスト | その他処理 |
さまざまな炉をラインナップ。お客様のニーズや用途に応じて熱処理技術を使い分けます。炉から取り出した時の鉄の姿は圧巻です。
蓄積したデータをベースに、炉の温度、熱処理時間などの条件を設定。炉から取り出す時間管理にも独自のノウハウがあります。
製品の表面を窒素で硬くする「ガス窒化」。部品の磨耗防止に高い効果があり、お客様からのニーズが増えている熱処理方法です。
高周波電磁誘導による発熱で行う「焼き入れ」です。指定した部分だけを処理できるので、複雑な要望にお応えできます。
硬度を正確に測定する試験機を揃え、すべてのロットで硬度検査を実施。処理結果が目に見えないだけに重要な検査です。
お客様との取り決めにより、品質確認のために行う場合と、異常時の原因追求のために行う場合があります。
光陽産業の炉は、多品種小ロット、単発製品向けに構成されているため、日々細かな調整を行うことが求められます。
お客様と光陽産業の製品・技術をしっかりと結ぶコーディネーター、それが営業の役目です。
光陽産業の主力製品であるグレーチング用の平鋼などは、それをパーツとして利用し製品づくりを行う企業が営業先です。道路用や工場床などのグレーチングを製造しているメーカー、フェンス、階段、テント、門材などの建築用資材メーカーなど、対象となるお客様は全国にあります。既存のお客様に対しては納期管理をしっかりと行い、新しいお客様への営業については、高品質、小ロット、短納期対応などの強みをアピールしていきます。
熱処理という技術そのものを提案する中で、光陽産業の強みは、お困りのお客様に「納期対応」ができる体制のあること。そして、もう一つの強みが問題解決型の提案営業です。例えば「金型の寿命を延ばせないか」というお客様の声に対して、窒化・軟窒化の技術を応用して寿命を3倍に延ばすことに成功。さらに、お客様に新しい製品づくりを提案することも。開発に参加して試作に協力し、付加価値の高い製品づくりをサポートします。